子供の虐待
子どもを叱るとき、身体にあざができるようなことをしたら、それは虐待だ。
小突くとか軽くつねるとかならまだしも、何度もひっぱたいたり、蹴ったり、足蹴にしたりするのであれば、原因が何であろうと、それは虐待になる。
こういう行為は、子どもにとって、肉体的・精神的に傷を残す行為であり、何もプラスになることはない叱り方だ。
親の怒りを、そうやって体罰のようなもので表すというのは、確かに子どもにとってわかりやすいシグナルだろうが、それがいつものことになっては、ただのイジメと変わらない。
これは「しつけ」でもなんでもなく、親の怒りを一方的にぶつけているだけだろう。
また肉体を傷つけるだけでなく、無視して子育てを放棄することも、虐待にあたる。
こういうことをすると、子どもの心に、傷を一生残してしまい、様々なトラウマ(心の傷)を作ってしまう。これは子どものその後の人生に、大きな禍根を残す。
もちろん昔から、こういうことがくなかったわけではない。
だが、現代では虐待がとても深刻な社会問題になっている。
最近では、子どもを虐待している母親が、自分で虐待防止センターなどへ、助けを求めて電話してくるケースということまで起こっている。
というのも、虐待を受けた子どもが親になったとき、やっぱり子どもを虐待してしまうと言う悪循環まで出ているのだ。トラウマとなっていることが、無意識のうちに自分の子への虐待となってしまうのだ。
これではもう、親がひとりで解決することは難しい。
心療科や精神科の病院や保健所などに連絡をとる必要がある。
放置すれば、この母親も子どもも大きな傷を負う危険性があるからだ。
人間なら誰でも、感情が高ぶってしまって、思いがけず相手に強く当たってしまうことは、よくある。さらに後になって、深く後悔した経験もあるだろう。
ただし自分でやってはいけないと認識しているのに、止められない場合は、専門家や施設などに助言を求める必要がある。