子育ての節目は、脳の節目
更新日:2014/07/01
お父さんのための子育て入門。
児童心理学や、脳の発達の研究から、子育てをまとめていくことにする。
子育てには節目がある。
節目は英語で言うと「ターニングポイント」で、節目を過ぎると様相がまるで変わり、必要な知識も変わってくる。
子育ての節目は3歳・7歳・10歳の三つで、10歳を過ぎるともう、脳は大人の脳になる。
10歳というと、小学校4年生頃だから、まだまだ身体は小さいのだが、脳は完成して大人の脳になる。
脳の成長・発達段階を見ると、3歳・7歳・10歳で脳の発達の仕方が変わるのだ。
まず0歳から3歳までの間は、脳の神経細胞がどんどん増えていく。
脳の神経細胞がどんどん増えていき、五官(目・耳・鼻・口・皮膚)から入ってきた情報を取り込んでいく。
しかし3歳から7歳までの間は、逆に脳の神経細胞の数は減っていく。
これは取り込んだ情報のウチ、二度と使わない情報を消して、必要な情報や細胞のみを残す作業をしていると考えられる。
これを「細胞死」(アポトーシスapoptosis)という。
細胞死というのは、多細胞生物に見られる現象で、細胞をいったん増やしたあと、不要部分の細胞を死滅させていく現象だ。
オタマジャクシが成長するにつれて、尻尾が退化して短くなっていくような感じやね。
子供の脳と大人の脳の違い
人間の脳は、3歳まで細胞がどんどん増えていき、7歳からは逆に脳細胞の数が減少し始める。
一旦増えてから減るのは、細胞死(アポトーシス)と言って、必要が無い細胞が自滅していくのだ。
そしてそのあとの7歳から10歳の間には、神経細胞の数は増えないが、神経細胞が成長して、他の神経細胞とつながっていく。
これによって子供の脳から、大人の脳に変わっていくと考えられている。
そうして10歳ころには大人の脳とほぼ同じ働きができるようになっていく。
子供の脳と大人の脳がどう違うかは、このあとまた順番にまとめていくことにするが、簡単に言うと「抽象的な思考ができるようになる」。
たとえば10歳くらいまでの子供は、目に見えるモノについてしか考えが及ばない。
ジュースの多い少ないも、分量で考えられず、液面の高さで判断したりする。
これは「形が変わっても量は同じ」ということが、10歳未満の子供には理解できないからだ。
10歳未満の子供は目に見えるもので判断する。
たとえば細長いコップと、太めのコップを用意して、同じ分量だけジュースを注ぐ。
そうして「どちらが多い?」と尋ねると、たいてい背の高いコップの方を選ぶ。
背の高いコップを選んだ子供に、選んだ理由を聞くと、どうも高さで選んでいるらしい。
逆に背の低いコップの方を選ぶ子供もいるが、その場合はコップの幅(太さ)で選んでいる。
つまり10歳未満の子供の多くは、分量という3次元の量がまだ理解できないため、長さという1次元の量で比べているらしい。
体積とか容積というのは、実は抽象的概念で、脳の発達によって初めてできるようになるので、脳が発達する前にいくら教えても無駄である。
こういう風に、ある程度成長しないと、できるようにならないことを「ロバストネス」(ロバスト性/頑健性)と呼ぶが、ロバスト性に反して教え込んでもダメなのだ。