クーイングと喃語(なん語)
更新日:2015/09/22
お父さんのための発達心理学入門。
生後3ヶ月から2歳児までの間に、子どもは母親や養育者と信頼関係を結ぶ。
これを「アタッチメント(愛着)」と呼ぶが、様々な行動で愛着関係を結ぼうとする。
まず乳児は、生後3ヶ月までは誰に対しても愛想が良い。
人の顔を見ると微笑んだり、甘泣き(甘えた泣き方)をする。
生後6週間から8週間くらいから、「あー」とか「うー」とか言う声を出しはじめるが、これを「クーイング」と呼ぶ。
「あー」とか「うー」と言う声は唇や舌などを使わずに出せる音で、生後3ヶ月くらいではクーイングしかできない。
赤ん坊がクーイングをする目的は、自分の発した声に誰が反応するかを調べているらしい。
人の顔が見えると笑顔を見せて、「あー」とか「うー」とか言って、反応してくれるかどうかを見極めているわけだ。
なので生後3ヶ月を過ぎると、知らない人には微笑まず、特定の大人に対してのみ微笑んだりクーイングするようになる。
また生後3ヶ月前後の赤ん坊は、構ってもらいたくて誰彼なく「甘え泣き」をするが、生後6ヶ月を過ぎると、母親や養育者を探すようになる。
また「あぶー」とか「まんま」など、子音や反復を伴う喃語(なん語)も、発音できるようになっていくので、このときに、子どもの声にきちんと対応すると信頼関係ができる。
大事なのは、子どもが自分で声を出したときに、確実に返事をして応えてあげることだという。
親や大人が子どもに一方的に語りかけるのは、子どもにとっては迷惑でしかないらしい。
子どもの甘え泣きに反応できるかどうかが重要
子どもを育てるには声かけが重要などと言うが、親側から勝手に話しかけてもダメらしい。
子どもは何かをしてもらいたいときに、誰がそれに応えてくれるかを見つけようとしているので、子ども側からの呼びかけに応じるかたちでないといけない。
なので赤ん坊が微笑んだり声を出した時に反応して、そこで話しかけるようにすることが重要だという。
具体的には、赤ん坊が「あー」とか「うー」とか言い出したら、同じように「あー」とか「うー」とか返してみるだけでよい。
「まんま」とか「ぶーぶー」とか言い出したら、同じように「まんま」とか「ぶーぶー」と返してあげる。
このとき、赤ん坊に口の形が見えるように答えると、赤ん坊はまたそれを真似して答えるようになる。
脳にはミラーニューロンという働きがあって、目の前に見えている人の真似をしようとするので、口元が見えるようにして話してあげると良い。
なので子供が話しかけてきたら、それに応える形で色々話せば良い。
大人の側から話しかけるのはダメだが、子供から話しかけてきたら、それに応えて話せば良い。
これが乳幼児と親との信頼関係を作ると言うことらしい。
というわけで、ここまでのまとめと追加情報。
生後3ヶ月くらいまでの子どもの行動
誰に対しても微笑むため「微笑反射」とか、「天使のほほえみ」などと呼ばれる。
また生後3ヶ月までは、乳児特有の反射運動をする。
たとえば乳児の手のひらに触れると握り返してくるし、足の裏に触れると、足の指を広げる。
ビックリすると抱きつく仕草をしたり、指先で口の近くをつつくと、その指に口を寄せて吸い付こうとしたりする。
生後3ヶ月から6ヶ月くらいまでの子どもの行動
そのため、母親や養育者には微笑んで声を出すが、知らない人に対しては微笑まず、怖がったり泣いたりし始める。