色の見え方の男女差
更新日:2015/09/27
お父さんのための子育て入門。
女の子の育て方の話。
父親にとって女の子は異性だから、娘が何をどう感じているのかは分からない。
何を考えているのか知りたくても、男女の性差は大きな壁で、想像するしかないのが現実だ。
男女の性差はいろんなところに現れるが、医学的・科学的研究では、様々なことが分かっているので、それを参考にすると良いかもしれない。
男女の性差でハッキリしているのは、「女の子は色や音に敏感」だということだ。
目の機能には男女差がハッキリあって、これはもう遺伝子レベルの話である。
たとえば日本では、男の子20人に1人の割合で、「赤緑色覚異常(赤緑色盲)」が発生する。
赤緑色覚異常というのは、赤と緑の区別が付きにくく、赤色が黒っぽく見えてしまう症状だが、20人に1人だから、5%だね。
フランスや北欧では、なんと10人に1人の割合で発生し、男性の一割が赤緑色覚異常らしい。
一方この症状、日本の女の子では、500人に1人の割合で発生する。
割合で言うと0.2%で、非常に少ない数字だ。
フランスや北欧では女性200人に1人の割合で発生する。
赤緑色覚異常の発生率が、男女で20倍以上も違う理由は、色を見分ける視細胞の遺伝情報が、男女を分ける「性染色体」に書かれているからだ。
緑色に反応する「M錐体」の遺伝情報は、男性が持つY染色体には載っていないため、色覚異常は男性に起こりやすいわけだ。
そして色覚異常がなくても、男性と女性では、色の見え方に差があるのだという。
男の子は動くモノに反応する。女の子は色が変わるモノに反応する
男性と女性では、色の見え方が違う。
これは色を見分ける視細胞の遺伝情報が、性染色体(XとY)に書き込まれているからだ。
光を感じる目の視細胞には、桿体(かんたい)細胞と錐体(すいたい)細胞と言う2種類の細胞がある。
桿体細胞というのは弱い光に反応するもので、光が強いか弱いかを感じる細胞だ。
色で言うと無彩色つまり「白・グレー・黒」を見分けるような細胞だと思えば良い。
一方、錐体細胞というのは、色を見分ける細胞のことだ。
錐体細胞には種類があって、それぞれ反応する色が違う。
赤色に反応する錐体を「L錐体」(長波長錐体)青色に反応する錐体を「S錐体」(短波長錐体)緑色に反応する錐体を「M錐体」(中波長錐体)と呼ぶ。
多くの人間はこの「赤・青・緑」の3色でモノを見ている(3色型色覚)のだが、緑色に反応するM錐体の遺伝情報は、X染色体にしかなく、それで男女差がでるらしい。
M錐体遺伝子には「緑色を強く感じる」「緑色を多少感じる」「緑色を感じない」という3パターンがあるので、たとえば色覚異常がなかったとしても、赤色と緑色の区別が苦手な男の子は多い。
男の子は位置に関係するニューロン(脳神経)が発達していて、動くモノに敏感に反応できる。
(※where経路という)つまり男の子がキョロキョロしているのは、光を感じる桿体細胞が、目の奥に拡がっているためらしい。
一方、女の子は緑色にしっかり反応するため、色の違いに敏感で、色の変化に気づきやすい。
そして色を識別する錐体細胞は、目の奥の中心に集中しているため、女の子はモノを見る時、真正面からじっと見つめる事が多い。